腹膜中皮腫とは
腹膜中皮腫とは、腹膜「中皮」から発生した腫瘍のことを言います。
胸部の肺や心臓などの臓器、胃腸・肝臓などの腹部臓器は胸膜・腹膜・心膜という膜に包まれています。
これらの膜の表面を覆っているのが「中皮」です。中皮腫は腹膜中皮腫以外にも、胸膜中皮腫・心膜中皮腫があります。
腹膜中皮腫は良性のものと悪性のものにわかれます。
良性のものは一箇所にかたまりを形成するような限局性ですが、
悪性の中皮腫は、限局性以外にも、腹膜に沿って広がって発育するびまん性のものがあります。
悪性の腹膜中皮腫は、まれなものと言われていましたが、近年の検査で発生率が増加傾向になっています。
腹膜中皮腫の原因
では、腹膜中皮腫の原因となるものは何でしょうか。
腹膜中皮腫はそのほとんどの原因がアスベスト(石綿)の吸引により発生すると言われています。
アスベスト鉱山の労働者やアスベストを扱う労働者、さらには鉱山や工場周辺の住民、労働者の家族にも腹膜中皮腫は発生しています。
アスベストに暴露する期間が長いほど、またアスベストも暴露量が多いほど腹膜中皮腫のリスクは高くなるのです。
原因となるアスベストを吸入してから中皮腫を発症するまでには20〜40年程度かかります。
現在発病した人の原因は数十年前からアスベストを吸入していたと考えられます。悪性の腹膜中皮腫は男性に多いのが特徴です。
腹膜中皮腫の症状と治療
腹膜中皮腫の症状と治療についてですが、悪性の腹膜中皮腫では、腹水が貯まることにより腹部膨張などの症状が現れる患者が多くいます。
しかし、腹膜中皮腫であることがわかった時点では病状が進行していて、さらに、急速に悪化するため治療予後は大変厳しいのが現実です。
腹膜中皮腫の治療は主に手術療法・放射線療法・化学療法、またその組み合わせを行うことが一般的です。
しかし、発症2年後の生存率は約30%、5年後の生存率はわずか4%と深刻な現状が待っています。
早期に検査し治療を行う事が少しでも症状を改善させることに重要となってきます。
腹膜中皮腫の可能性がある人
厚生労働省では、腹膜中皮腫の可能性がある人(アスベストを暴露するような仕事に従事していた人)は現在自覚症状がなく、健康な生活を送っている場合でも年に一回はレントゲン検査を受けることを勧めています。
また、仕事でアスベストを暴露している可能性がなくても、アスベストは様々な建築物や工業製品に使われています。
健康状態が気になる人は検査の相談など保健所などで相談することもできます。
早期に検査し症状を改善し、治療していく事が生存率に関わり非常に重要です。